木造大日如来坐像

更新日:2015年2月18日

 この大日如来坐像は、現在は宝玉院に安置されていますが、かつては近くにあった湯殿山照明院大日堂の本尊で、俗に湯殿山大日如来と呼ばれていたようです。明治初年の廃仏毀釈に際して、宝玉院へ移されたものと思われます。
 檜材の寄木造で漆箔仕上げ、高さは36.5センチメートルあります。全体に形式化の目立つ表情の乏しい造形ですが、童子のような面貌や体躯の造り、それを包む法衣の衣文表現などに、この頃の鎌倉仏師の作例に共通する特色がうかがえます。
 像底部には墨書が残されており、本像の造立が慶長20年(1615年)6月15日であることや、造立願主は長賢、造作仏師は鎌倉備後びんごという人物であることがわかります。諸書によると願主の長賢は、照明院や宝玉院を開山中興した長賢法印であり、両院は姉妹寺の関係にあったと思われます。仏師の鎌倉備後について詳しい経歴は不明ですが、名前のあり方と像の作風から、鎌倉仏師の一人と推測されます。
【指定年月日】昭和57年4月16日

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