齊藤家文書及び関連史料

更新日:2020年2月28日

 「齊藤家文書」は、明治以降の文書を主体としていますが、江戸時代のものも若干含まれています。江戸時代の文書の大半は幕末期のもので、村政や商業・金融関係文書に占められますが、元禄10年(1697)の「家系伝」等もみられます。明治以降の文書では、明治から昭和初期にかけての店卸帖類が約80点あり、金銭貸借関係文書などとも併せて同家の経営実態の解明の史料となります。これに加えて、道路・鉄道関係文書が約220点あり、このうち約170点は川越鉄道(現在の西武新宿線)・武蔵野軽便鉄道(現在の西武池袋線)などの関係文書です。
 とりわけ所沢地域で初の敷設となった川越鉄道関係文書が量的にもまとまっており、齊藤家の経営はもちろん、この地域の鉄道発展を跡付ける貴重な文書群といえます。ほかにも齊藤家は、地元の名望家として地域社会との関わりが深く、役場・警察・裁判所関係を始め、学校・図書館関係の文書が比較的揃っています。
 さらに、この地域の自由民権運動の中心にあった齊藤与惣次が運営の中核を担っていた会合所「求友会」関係文書もまとまっています。なお、量的に最も多いのが300点を超える「書状」であり、私信も含まれますが、齊藤家の経営をはじめ上述した事柄に関係したものも少なくありません。
 以上のように、齊藤家文書は多岐にわたる内容から構成されており、とりわけ明治期の所沢町の形成・発展過程を解明する上に貴重な情報を提供する文書群です。
 この文書とともに併せて伝来する川越鉄道の事務所看板や開通記念屏風、求友館を描いた襖絵、勝海舟・山岡鉄舟・高橋泥舟の掛軸、明治天皇行在所となった後下賜された三つ組木盃なども、「関連史料」として貴重です。

【指定年月日】令和2年(2020)1月15日

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