大丈夫?あなたの血糖値

更新日:2024年3月1日

日本の成人のうち、約5人に1人が「糖尿病」または「糖尿病予備軍」といわれています。糖尿病は重症化するとさまざまな合併症を引き起こします。普段の生活からバランスの良い食事、適度な運動などの取組が大切です。

糖尿病とは

食事から摂取された糖質(炭水化物)は消化吸収によりブドウ糖になります。ブドウ糖は、私たちが生きていくためのエネルギーとして大切なものですが、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が十分に働かないと、血糖値が上昇し、増えすぎたブドウ糖は長い年数をかけてじわじわと血管を傷つけていきます。
高血糖が長く続くと、「おしっこの回数が増える」「喉が渇く」「疲れやすい」などの自覚症状がみられることもありますが、症状がないからと大丈夫と思っているうちに病気が進行していることがほとんどです。

糖尿病が怖い理由

糖尿病はひとたび発症すると自然治癒することはなく、様々な合併症を引き起こします。

合併症

(1)網膜症(目の血管が傷つき視力の低下や失明につながる)
(2)腎症(腎臓の働きが悪くなり体の循環が悪くなる、人工透析が必要)
(3)抹消神経障害(手足のしびれや感覚が鈍くなる、壊疽につながる)
その他、動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞、感染症にかかりやすい、認知症などのリスクもあります。

知っておきたい糖尿病ワード
1型糖尿病 遺伝などでインスリンを合成できないことが原因
2型糖尿病 飲み過ぎや食べ過ぎ、運動不足などの生活習慣が原因
空腹時血糖 空腹時の血液中に含まれるブドウ糖の濃度
HbA1c
(ヘモグロビンエーワンシー)
赤血球に含まれるヘモグロビンとブドウ糖が結合したもので、1~2か月前の血糖値の平均を表し、ごまかしが効かない数値
インスリン 血糖値を下げる唯一のホルモン
血液中のブドウ糖を肝臓や筋肉、脂肪組織などの細胞に運ぶことで、エネルギーとして消費させ血糖値を下げる

定期健診で早期発見

糖尿病患者の多くは2型糖尿病で、生活習慣を原因とするものです。糖尿病を予防・進行させないためには、定期健診で早期発見すること、そのままにしないで対策・治療をすることが大切です。
糖尿病は何回かの検査を組み合わせて診断されますが、空腹時血糖が126mg/dl以上、あるいはHbA1cが6.5%以上と確認された場合、糖尿病である可能性が高くなります 。血糖値の数値が高い場合には、必ず医療機関で相談しましょう。

糖尿病予防

炭水化物や甘い物を我慢すれば血糖値が下がると思われがちですが、実は「タンパク質」や「脂質」もゆるやかに血糖値を上げる作用があり、食事全体のバランスを見ることで血糖コントロールが上手くいきます。また、運動は「インスリン」の働きを活発にしてくれ、血糖値を下げる効果があります。生活習慣全体を見直して、ちょっとだけ毎日の習慣を変えてみる、『スモールチェンジ』に挑戦しましょう。

食事編

  1. 3食しっかり規則正しく食べる

カロリーを気にして食事量を減らすことで、空腹になりやすかったり、間食が増えたりすることもあります。だらだら間食や、欠食は血糖コントロールを難しくします。
朝昼夕できるだけ同じ時間に、「主食」「主菜」「副菜」をバランスよくしっかり食事をとり、お楽しみの間食は時間と量を決めて、就寝2時間前までには済ませましょう。
また、一緒に野菜を摂取することで糖質や脂質の吸収を緩やかにしてくれます。1日の野菜摂取目標350gをとるために、普段の食事プラス1皿追加することで、より健康的な食事メニュ―になります。 


1日350g野菜を摂取するための目安

  1. 食品選びを工夫する

食品ごとの栄養成分表示のエネルギーをチェックして、カロリーの取りすぎに注意しましょう。
また、食後の血糖値を上げにくい食品、低GI食品を活用しましょう。
※グリセミック指数(GI値)とは、食後血糖上昇指数と言われ、数値が55未満の低GI食品は血糖値を上げにくいと言われます。
精白米や食パン、にんじん、かぼちゃ、せんべいなどは高GI食品です。
牛乳や乳製品には蛋白質、脂質、炭水化物、カルシウム、ミネラルなどが含まれ、骨粗鬆症の予防や筋力増大、肥満予防と適正体重の維持といった効果もあります。食事と一緒に牛乳を飲むことでGI値が下がるという研究結果もあり、1日180mL(120kcal、カルシウム量は200mg)程度を目安に摂取することをお勧めします。

  1. 食物繊維の多いものから食べ始める

サラダや海藻類など食物繊維の多いものから、肉魚などのおかず、そしてごはんやパンなどの炭水化物の順に食べると血糖値は上がりにくくなります。よく噛むことで満腹感も得られやすい食べ方です。
1回の食事で、ラーメンとごはんなど、糖質が重なるような食事の仕方も避けましょう。
 

運動編

  1. まずは1日10分!からだを動かす

理想は1日20分以上、毎日運動。ですが、ライフスタイルによってはしっかり運動する時間を作ることが難しい場合もあります。運動の効果は2~3日は持続すると言われ、週2~3日の運動や週末1~2日の運動でも効果があることが分かっています。体も時間も無理せず、まずは続けることを目標にして、慣れてきたら時間や強度を増やしましょう。
例)歩く歩幅を広くする、買い物前に散歩する、階段を使う、家の前の掃除を日課にする

  1. 有酸素運動と筋トレの合わせ技が効果的

  • 有酸素運動:ウォーキング(速歩)・ジョギング・水泳・自転車などのできるだけ大きな筋肉を使用する運動。
  • 無酸素運動(レジスタンス運動):腹筋、ダンベル、腕立て伏せ、スクワットなどの運動。

レジスタンス運動は筋肉を鍛えることで、基礎代謝量がアップ、消費エネルギー量がアップします。そこに有酸素運動を重ねることで、エネルギー消費がさらに高まるので、どちらの運動も行うことが理想的です。
レジスタンス運動は自宅でも簡単に行えます。週2~3回、1日2~3セットから始めましょう。

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ご活用ください「健康的な体づくりのための生活習慣見直しノート」

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