摂食障害

更新日:2024年4月1日

摂食障害とは、「食事を摂取することに問題が現れる病気」です。
大きな特徴は、体型と体重に関する態度と価値観の変容です。
やせていることを素晴しい事、太ることを嫌悪すべきこととした上で、体型や体重によって自分を評価してしまう病気です。
発症の原因は現在のところ不明ですが、脳も含めた生物学的要因、心理的な要因、環境も含めた社会的要因が複雑にからみあっていると言われています。
摂食障害は大きく分けて、拒食症(神経性無食欲症)と過食症(神経性大食症)の2種類と、そのどちらにも当てはまらない特定不能の摂食障害を加えた3種類に分類されます。

神経性食欲不振症(拒食症)

徹底的な「痩身」「やせ」への追及です。
体重増加への過度な恐れと低体重の維持のため、食べることを極端に少なくする病です。
「やせ」の基準としては、年齢と身長からみた正常体重の85%以下というものや、BMI(体重Kg/身長mの2乗)が18.5以下という基準が用いられます。
例えば身長160cmの人なら44kg以下になればこの基準を満たし「やせ」となります。

神経性大食症(過食症)

いくら食べても満足感が得られず「むちゃ食い」をしてしまう。
そのとき本人にはその食行動を制御できないという感覚をともないます。
そのことを非常に後悔し、気分もマイナスに働いてしまい、下剤の使用や、嘔吐をするなど、何とか強引に外へ排出する行動がみられます

身体的な症状

長期の栄養失調状態により、やせすぎ、無月経、低血圧、むくみ・しびれ、肝臓・腎臓・胃腸の障害などが現れます。
また、嘔吐や下剤の乱用などにより、体内のナトリウム・カリウムなどの電解質のバランスが崩れ、深刻なときは心不全を起こし死亡することもあります。

精神的な症状

抑うつ傾向、情緒不安定、慢性的不安、無気力、対人恐怖、強迫的な傾向など。
その他にも、強い孤独感や生きていくことをつらく感じてしまうようなことがあります。

摂食障害の治療

治療の目標はまず、適切な食事のパターンを獲得し体重を回復させることです。
体重が増えることへの恐怖や、過食を繰り返してしまう衝動などには何らかの心理的な理由があります。日常生活や他人とのコミュニケーションの中から生じるストレスが、拒食や過食という形でその苦しさを表現したり発散したりしていることがあります。
このような心の問題に気づき、それを異常な食行動に結びつけずに適切に解決する方法を身につけることが摂食障害の治療となります。
摂食障害の回復には長期経過になってしまう場合も多いものです。
あきらめたりせずに、家族や周囲の人々と協力しながら治療に望むことが大切になります。
そのためには、摂食障害から立ち直った人の助言や支援も有益で自助グループへの参加も効果的です。

関連情報

ざりがに(外部サイト)
摂食障害者の家族の自助グループです。毎月所沢市内でミーティングをやっています。
摂食障害情報ポータルサイト(一般の方)(外部サイト)
摂食障害全国基幹センターおよび摂食障害情報ウェブサイト検討委員会が運営しています。
OAオーバーイーターズ・アノニマス(外部サイト)
食べ物へのとらわれ(過食・過食嘔吐・拒食・下剤乱用など)からの回復を目的とした仲間の集まりです。
「自分の食べ方には何らかの問題がある」「食べ物を使って自分を傷つけるのをやめたい」との思いがあれば、誰でも参加することができます。
摂食障害の自助ピアサポートグループNABA(ナバ)(外部サイト)
1987年に発足した、摂食障害からの回復と成長を願う人々の自助グループです。
摂食障害の理解と治療のために、家族・支援者のための情報サイト(外部サイト)
摂食障害(主に拒食症)の治療等の解説や、様々な情報が掲載されています。

お問い合わせ

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