平成28年11月号 伊澤 陽一さん(スティールパン奏者)

更新日:2016年11月1日

プロフィール

伊澤いざわ 陽一よういちさん(中新井在住)

生まれも育ちも所沢のプロスティールパン奏者。
平成20年に結成したWAIWAIわいわい STEELすてぃーる BANDばんどを率い、全国でライブを展開。
今夏、セカンドアルバム「LAMPらんぷ」をリリースした。

伊澤陽一さんの写真

 ドラム缶から作られる打楽器「スティールパン」。缶の長さや音盤(たたく場所)の広さで音を変えられ、複数の種類を組み合わせれば、スティールパンだけでオーケストラが組めるという極めて珍しい楽器です。
 伊澤陽一さんは、スティールパンのプロ奏者として17年間活動し、年間100本以上のライブをこなしながらも「大変ですけど、大変だから楽しいんですよ」と屈託のない笑顔を浮かべます。
 音楽教室に通っていた伊澤少年がスティールパンに出会ったのは14歳のとき。「テレビで見たスティールパンに興味を持ち、ライブを観に行ったんです。体が震えるほどの音楽体験は、あのときが初めてでした」。日本ではまだマイナーだったスティールパンに触る機会はありませんでしたが、打楽器に強く関心を持つようになり、東京音楽大学では打楽器を専攻。そして21歳のとき、日本での第一人者で師匠となる原田芳宏さんに出会い、スティールパン奏者としての道を歩み始めます。
 7年後、刺激を求めてスティールパン発祥の地、トリニダード・トバゴに単身で飛び込み、地元バンドの一員として世界最大のスティールパンコンテストPANORAMAぱのらまに出場を果たします。「スティールパンが国民楽器として生活に溶け込んでいるんです。そんな国で武者修行をするうちに、『自分のバンドを作りたい』と強く思うようになりました」。

 帰国後にWAIWAIわいわい STEELすてぃーる BANDばんどを立ち上げ、口コミなどでメンバーを増やしていきました。今や東北から九州まで56人を数えます。「人のつながりで生まれたバンドなので、それを大事にしています。聴きたいと言ってくれる人がいれば、どこへでも行きます。島民わずか45人の離島でもライブをしたことがあります」。
 全国でライブを重ねるうちに伊澤さんにある気持ちが芽生えます。「住んでいる町に誇りを持っている人がうらやましく思えてきて、『じゃあ自分はどこで生きていきたいか』『どうやって生きていきたいか』と自問したんです。その答えの1つは『地元で、所沢で演奏したい』でした」。
 昨年8月に開催した、初めての所沢ライブの会場に選んだのは、並木まちづくりセンター。「原点に戻って、家から一番近い場所にしようと思ったんです」。その後も所沢駅のイベントなど、市内の出演を増やしてきました。
 「もっと所沢の人と出会いたい。一緒に最高の瞬間を作りましょう」と伊澤さん。誰でも自由に楽しめる「街の音楽会」、新しい音と感情があなたを待っています。
(取材:鹿島)

並木・街の音楽会

日時

平成28年11月12日(土曜)午後2時開場・午後2時30分開演

場所

並木まちづくりセンター(並木公民館)多目的ホール
所沢市並木8丁目3番地

交通

駐車場に限りがあるため、なるべく公共交通機関をご利用ください。

所沢駅西口・航空公園駅東口

西武バスに乗車し、「並木通り団地」下車徒歩10分

新所沢駅東口

西武バスに乗車し、「ニュータウン中央」下車徒歩10分

対象

幼児から大人まで

定員

先着220人

費用

無料

問い合わせ

並木まちづくりセンター
電話:04-2998-5911

昨年の並木・街の音楽会の写真

平成27年8月1日(土曜)

ウェブ版限定 こぼれ話

スティールパンはどうやって音が変わるの?

低い音ほど響かせる必要があるため、ドラム缶を長くします。
また、スティックでたたく音盤も広く取る必要があります。
音階を取るため複数のドラム缶で1組となるものもあり、このページの先頭で伊澤さんが演奏しているものは2つで1組です。

スティールパンはいくらするの?

日本でスティールパンを作れる職人は1人しかいないそうです。
そのため、基本的には輸入する必要があります。
価格はピンキリですが、平均すると1台10万円から20万円くらいになるそうです。
職人によって音が微妙に異なるそうで、「楽器探し」も伊澤さんの楽しみの1つです。

スティールパンをたたくスティックの素材は?

アルミ製か木製です。
グリップにゴムなどを巻きつけて使用します。
たたくものによってスティックを替えるそうです。
ちなみに、スティックは基本的に自作します。

スティールパン発祥の地ってどんなところ?

トリニダード・トバゴはカリブ海に浮かぶ島国。
千葉県ほどの広さで、人口は所沢市の約4倍です。
スティールパンは国民楽器に位置づけられ、バンドが160チームも存在するそうです。
大きいバンドでは120人規模になるんだとか!

バンド名の由来は?

WAIWAIわいわい STEELすてぃーる BANDばんどの名前は、狭山市にあったレストラン「WAIWAIわいわい DININGだいにんぐ」から来ています。
このレストランで伊澤さんと1人の小学生がスティールパンの練習をするところから始まったそうです。
そこから56人まで仲間が増えたんですね。
ちなみに、最初にレッスンを受けていた小学生は、今や高校生となってバンドに参加しています!

曲は誰が書いている?

WAIWAIわいわい STEELすてぃーる BANDばんどは、これまでに2つのCD(TIMEたいむ FORふぉー PANぱんLAMPらんぷ)をリリースしています。
いずれも基本的に伊澤さんが作曲したオリジナル曲で構成されていますが、中にはカバー曲をアレンジしたものもあるそうです。

バンドの衣装が白いのはなぜ?

WAIWAIわいわい STEELすてぃーる BANDばんどのライブを観ると、演奏者の衣装が白を基調にしていることに気づきます。
スティールパンは主張の強い楽器であるため、見た目の先入観をなくし、極力シンプルにすることを心がけているそうです。

お問い合わせ

所沢市 経営企画部 広報課
住所:〒359-8501 所沢市並木一丁目1番地の1 高層棟3階
電話:04-2998-9024
FAX:04-2994-0706

[email protected]

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